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日本ラカン協会ワークショップ(9/22京大)

日本ラカン協 会第25回ワークショップ

「ポスト68年」の集団(コレクティフ)――ラカン、ガタリ、ウリと現代

日時:2018年9月22日(土)14 : 00~17 : 30
場所:京都大学 人間・環境学研究科棟 3階 333教室
(〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町)
参加費:無料
提題者:武田 宙也 氏(京都大学大学院人間・環境学研究科)、
    上尾 真道 会員(京都大学人文科学研究所)
司会 : 松本 卓也 理事(京都大学大学院人間・環境学研究科)

ラカンにとっての「ポスト68年」とは一体 何だったのだろうか。周知の通り、68年の前年、ラカンは「〈学派〉の精神分析家に関する1967年10月9日の提案」を発表し、学派分析家を生み出すた めの「パス」と呼ばれる仕組みを考案している。興味深いことに、この提案の際に、彼は精神分析家の集団(グループ)のあり方を、フロイトの「集団心理学と 自我の分析」における教会と軍隊をモデルとする集団――それはラカンが批判した、フロイトがつくった国際精神分析協会という集団の姿でもあった――をもち だすことによって考察しようとしている。また、「パス」という装置それ自体も、個人の特異的=単独的な分析経験の証言がいかに学派全体に伝達されるのかと いう、個人と集団をめぐる厄介な問題を扱っていると言えるだろう。
このような個人と集団のあいだの問題は、 フェリックス・ガタリやジャン・ウリにとっても重要なものであった。特に、昨年翻訳が刊行されたウリの『コレクティフ――サン・タンヌ病院におけるセミ ネール』は、個人が集団というシステムのなかにありながらもそれぞれの特異性が保持されるため「ほんのちょっとしたこと」の重要性、という極めて重大な論 点を提示している点で貴重である。これらのラカン、ガタリ、ウリの思考の重要性は、過去のものとなったわけではなく、近年の「当事者研究」や「オープンダ イアローグ」といった集団の存在を前提とする臨床実践への注目を承けて、特にそれらとの差異の比較検討という観点から、むしろその重要性を増してきている ように思われる。
 そこで本ワークショップでは、初めに司会者 である松本がそれらの現代的な臨床の文脈を参照しつつラカン、ガタリ、ウリの議論との類似点と差異を中心に文脈付けを行い、『コレクティフ』の訳者でもあ る上尾氏、武田氏にそれぞれ創造性とセクシュアリティをめぐる観点から提題いただき、「ポスト68年」の集団、ひいては現代における集団の問題についての 議論を深めたい。


「ジャン・ウリの創造論をめぐって」(仮)武田宙也
ジャン・ウリは、『コレクティフ』にまとめら れたサン・タンヌ病院でのセミネールの翌年にあたる1986年11月から1988年5月にかけて、パリ第7大学で精神病と美的創造の関係をめぐる講義を 行った(本講義録は、1989年に『創造とスキゾフレニー』のタイトルで出版されている)。本発表は、この2年度をついやした講義から出発して、フェリッ クス・ガタリの「美学」やアンリ・マルディネのリズム論なども参照しつつウリの創造論を浮き彫りにするとともに、それが彼の「コレクティフ」をめぐる思考 ととり結ぶ関係についても明らかにしたい。

「ラカン・マルクス・セクシャルレボリュー ション」上尾真道
フランス68年5月の多様な側面のひとつとし て、それが親密性をめぐる変化の希求であり、またその実現の兆しであった、ということが挙げられるだろう。つまりは(複数の仕方での)性の解放である。そ の限りで、当時から学生たちの反乱は、本人たちの同意のあるなしにかかわらず、しばしばW.ライヒやH.マルクーゼの名に結び付けられた。フロイト-マル クス主義のこの中心問題は、では、ラカンにおいて、どのように受け止められたのか。そこで、本発表では、性という論点を軸に、68年以降のラカン理論を、 特にラカンによるマルクス読解の再検討を通じて再検討する。また彼の読み筋が、同時代の構造主義的マルクス主義(アルチュセール)、あるいはポスト構造主 義的フロイト-マルクス主義(ドゥルーズ=ガタリ)とどのような関係にあるか、考察を試みたい。

http://slj-lsj.main.jp/activities/workshop/workshop25.html

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