ホーム > 虚構のナチズム

虚構のナチズム

「第三帝国」と表現文化

虚構のナチズム

あの熱狂はなぜ生まれたのか。第三帝国の根源に光を当てる

著者 池田 浩士
ジャンル 歴史 > 西洋史
出版年月日 2004/04/01
ISBN 9784409510537
判型・ページ数 A5・408ページ
定価 本体3,900円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序章 ナチズムの現在:あの時代は良かった……/過去とは過ぎ去ったこと……/実感の現実性をめぐって/現在という立脚点
第一部 ドイツの受難と英霊神話の創生
Ⅰ 虚無に向かってさすらうものたち――レオ・シュラーゲターとメラー - ヴァン‐デン‐ブルグ:総統に捧げられた戯曲/レオ・シュラーゲターの衝撃/ナチズムはシュラーゲターから何を得たか/「第三の立場」とドストエーフスキー/現実性としての「第三帝国」
Ⅱ 最初のナチ詩人がのこした遺産――ディートリヒ・エッカルトとアルフレート・ローゼンベルク:一九二三年十二月――第二の英霊神話が生まれる/ディートリヒ・エッカルトの生涯と作品/「イェルサレムとの戦い」――バイエルン革命をめぐって/反ユダヤ主義の根拠 その一――ローゼンベル ク/反ユダヤ主義の根拠 その二――エッカルト
Ⅲ 死者たちも、ともに行進する――ホルスト・ヴェッセルとハンス・ハインツ・エーヴェルス:旗を高く掲げよ!/英雄を必要とする国――突撃隊の形成と発展/ホルスト・ヴェッセルの生と死/エーヴェルスによる神話形成/精神(こころ)において生きつづける「ドイツの夜の旗手たち」

第二部 文化政策の夢と悪夢
Ⅳ ヨーゼフ・ゲッペルスの想像力――小説『ミヒャエル』を読む:労働の生と犠牲の死/虚構と現実のあいだで/日記が語るドイツ的運命――虚構から現実へ
Ⅴ 国民社会主義文化の創出に向けて――文化官僚たちの「第三帝国」:科学の客観性か固有の世界観か/文化統制の理念と組織/文化と芸術の頽廃に抗して――H・S・ツィーグラーの戦い/文化官僚を支えたものたち

第三部 主体の表現、参加の文化
Ⅵ 二つの大戦の英雄として――ハンス・ツェーバーラインの体験と文学:ベンツベルクの人狼部隊/戦争体験からナチズムへ/『ドイツへの信念』の戦争像/内面化するナチズム――「良心の命令」/信念と良心は何を命じたのか
Ⅶ 日常茶飯事の政治性――ナチズム文化の「新しさ」とは何か:「戦士の革命」が日常の現実となる――クルト・エッガースの生と死/新しいメディアの戦士たち――映画の一断面:テレビ時代の幕開け――アルノルト・ブロンネンの変転
Ⅷ 自発性の文化表現としてのナチズム――「ティングシュピール」の興隆と終焉:最初の「ティングプラッツ」と「ノイローデ」/「ティングシュピール」とは何か? /近過去との対決から現在の神話化へ――ティングシュピールの主題と人物/規制から消失まで――第二革命の挫折

このページのトップへ

内容説明

文学、演劇、映画、放送など表現に関わる多様な分野で、ナチスはドイツ民衆の意思と感情を動員することに成功した、この秘密はどこにあったのか。著者は、ワイマール時代からナチス時代にかけての あらゆるジャンルの表現文化を綿密に分析し、あの時代の現場の感性を追体験しながら、ナチス=悪、その文学も劣るといった図式では解けないその熱狂を生み出す秘密について論及する。表現の力とは何か、 そして虚構と現実の現場に踏み込みながら、ファシズム・ナチズムに対抗する全体としての思想を追求した、著者畢生の書き下ろし。

このページのトップへ