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「ねずみ男」精神分析の記録

「ねずみ男」精神分析の記録

フロイトの技法的な細かな仕事ぶりを目の当たりにする臨場感に満ち満ちた精神分析の真髄

著者 フロイト
北山 修 監訳
高橋 義人 他訳
ジャンル 心理学 > フロイト心理学
出版年月日 2006/09/01
ISBN 9784409330494
判型・ページ数 A5・220ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫僅少
 

目次

第1部 「ねずみ男」精神分析の記録
「ねずみ男(エルンスト・ランツァー)」年譜/「ねずみ男」精神分析の記録…高橋義人訳/余白の書き込み/登場人物一覧

第2部 
発表論文要約/フロイトと「ねずみ男」の治療…笠井 仁/「ねずみ男」の病歴と生活史…井口由子/フロイトの表現から__訳者覚書…高橋義人 

第3部
「ねずみ男」の技法論的検討…北山 修 

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内容説明

 

一人の精神分析家が他人の人生に参加し、観察し、記録し、考え、生きるということとはどういうことか。フロイトが遺した「ねずみ男」と呼ばれる唯一の精神分析の記録の完全訳。この稀有な治療記録を初心者が精神分析を学ぶテキストとしても活用できるよう、技法論的検討をさまざまに加えた解説および註を充実した。


本書は、通称ラットマン(ねずみ男)と呼ばれるケースの「記録」を、独語から邦訳したものである。フロイトが遺した唯一の「精神分析の記録」だと言っていい。
第1部には、臨床の「物語」として読めるよう、高橋義人の訳文に年譜と登場人物の解説を付し、訳文そのものも元の記録文を壊さないよう配慮しながら挿入句を加えている。また、初心者が精神分析を学ぶためのテキストとしても使えるよう、注も詳しく付した。さらに第2部と第3部には、検討会に参加した笠井仁、井口由子、私の3人が、当時のフロイト、患者と家族、そしてその精神分析治療としての解説を添えた。同時に、高橋の書き留めていた覚書から今回の解読過程で得られたものを一部公開して、フロイトの言葉が持つ奥行きを抽出してもらった。別に第2部の初めには、フロイトが本治療記録を踏まえて発表した論文を、読者の便宜を考えて人文版を参考にして要約してある。
この本は長い年月を経て多くの人々の共同討議によって成ったところがあるが、それぞれの部分に関し最初から最後まで主体的につきあった責任者が、最後の発表に際し各々の訳文や原稿を個々に担当するという形式をとった。
これによりフロイト精神分析の真髄を味わってもらい、我が国における精神分析の営みのさらなる深化を期待したい。
(本書まえがき)より

 

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