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闘争の最小回路

南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン

闘争の最小回路

反米左派政権の枠組みからも溢れ出す脱領土的欲望、ラテンアメリカ社会運動の最前線

著者 廣瀬 純
ジャンル 思想 > 日本思想
社会 > 国際政治
出版年月日 2006/11/01
ISBN 9784409240762
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次



0 新たなジャーナリズムにむけて

1 米州サミットと民衆サミット、そして、そこから溢れ出すもの

米州サミットと民衆サミット(2005年11月・アルゼンチン、ALCA/FTAA、メルコスル、チャベス、21世紀の社会主義、ALBA、マラドーナの左傾化)/二つのサミットから溢れ出す「過剰な力」(横断的キルシネル派、ペロニスタ左派、「みんな出ていけ、ひとりも残るな」、2001年12月民衆蜂起、自律的な政治経済空間の構築)/ブッシュとネグリのラテンアメリカ

2 「潜勢力への道」と政治的代表制――メキシコ、スペイン、そしてボリビア

「investigación militante」とは何か(Colectivo Situaciones、オルターグローバライゼイション、政府のディスクールと運動のプロセス)/「進歩派政府」と「吸収」(タバレ・バスケス、ロペス・オブラドル、マドリッド列車爆破事件とスペイン大統領選、サパテロ政権と運動、やつらは私たちを代表していない!)/メキシコ――「政治家たちと話していても埒があかない」(サパティスタ民族解放軍のラカンドン密林第六宣言、メキシコ大統領選キャンペーンとサパティスタによるもうひとつのキャンペーン、サン・アンドレス合意のユニラテラルな履行)/ボリビア――「戦争」という表象の彼方へ(ボリビア大統領選、エボ・モラレス、水戦争とガス戦争、新たな社会運動と進歩派政府)

3 チリ――修正主義的ネオリベラリズムとふたつのラディカルな社会運動

コンセルタシオン諸政権と修正主義的ネオリベラリズム(チリ大統領選挙、ミチェル・バチェレ、アジェンデの革命とピノチェの反革命、ネオリベラリズムの実験室、コンセルタシオン政権とネオリベラリズム)/ポブラドーレス運動とその「吸収」(チリにおけるラディカルな住民自治運動と民政移管)/マプーチェの人々による闘争(チリにおける先住民運動とネオリベラル的グローバル化、マプーチェ運動に対するコンセルタシオン政権の弾圧、反テロ法、アジェンデの歴史的遺産を取り戻す?)

4 マイケル・ハート・インタヴュー 
  「自律性は反帝国主義よりも強力な武器だ。」

5 「マグナ・カルタ」と「ニュー・ディール」――ネグリとコッコとによる現代ラテンアメリカ論  

ネグリ=コッコによる批判的開発論(開発主義への逆戻りかネオリベラリズムか、90年代の諸運動、構造学派・従属論への批判、国家開発主義への批判、民政移管とネオリベラリズム、リベラリズムの肯定的側面)/新たな同盟(1)――「ニュー・ディール」(政府と諸運動とのあいだの新たな同盟、ネグリ=コッコのニュー・ディール論に対する私たちの立場、ベイシック・インカム、キルシネル政権による国民国家のポピュリスト的再建、代表的政治システムと資本制経済システムへの諸運動の回収、闘争=生産)/新たな同盟(2)――「マグナ・カルタ」(従属から相互従属へ、déconnexionの不可能性、帝国的貴族と帝国的君主との新たな同盟、進歩派諸政権の中心的役割、ネグリ=コッコのマグナ・カルタ論に対する私たちの立場)



現実主義的革命家とマルチチュード――ネグリのヨーロッパ論

ヨーロッパ憲法条約とマルチチュード(「賛成、国民国家というあのクソを消滅させるために」、マルチチュードの闘争空間としてのヨーロッパ、ヨーロッパの新たなプロレタリアート、ネグリのレーニン主義、技術的構成から政治的構成へ、USA政府に抗する反権力としてのヨーロッパ、ブッシュのブリュメール一八日、マルチレヴェル的政治決定プロセス、ネグリのdovere、バリバールのヨーロッパ論、vanishing mediator、コンディ・ライスのヨーロッパ)/マルチチュードによる「政治」の奪還(ポストフォーディズム的マルチチュード、プロレタリアートの夜、政治経済エリートはマルチチュードを労働させると同時に脱政治化させる、シラクと小泉、ジジェクのヨーロッパ論、エキスパートと素人、脱政治化されたマルチチュードによる政治の奪還、闘争の最小回路)

共同体メディア運動と「ボリーバル革命」――「Telesur」開局に際して

América invertida――アメリカ大陸を逆さまにする(Telesurの開局、nuestro Norte es el Sur、USA政府の対応、Vive TVからTelesurへ)/Manicomio politizado――狂騒の政治闘争(ベネスエラの共同体メディア運動、バリオのシネクラブ、カラカソ、自分自身のイメージを取り戻す、力のクリスタル)/Estado, revolución y machine de guerre ―― 革命政府による戦争機械の捕獲(シネクラブ運動から共同体メディア運動へ、ベネスエラ・ボリーバル共和国の誕生、基本的人権としてのコミュニケーション・メディア、民営マス・メディアの政党化、民営マス・メディアと経営者団体によるクーデタ、民衆による対抗的情報ネットワークの形成、共同体メディア運動の弾圧、VTVとVive TV、脱コード化・超コード化・ボリーバル革命)

彼らは「何人かの野蛮なインディアンに過ぎない」のか?――ボリビアにおける「新たな社会運動」について

モラレス政権の誕生(進歩派政権とオルターグローバライゼーション、モラレスの勝利は新たな社会運動の勝利なのか)/ふたつの「自律性」(水を守るためのコーディネイト組織、運動の自律性と主権国家、アルバロ・ガルシア・リネラ、近代・プレ近代・ポスト近代)/複製技術時代の民衆闘争(ポスト近代都市,極小規模家族経営と近隣住民共同体,都市型《ayllu》,アフェクティヴな人間関係の潜勢力、「遠い記憶」、「近い記憶」、国家に抗する社会、《common》化された自律性構築技術)

あとがきにかえて 存在の狼煙――フランスでの暴動について 

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内容説明

ブラジル、ベネスエラ、ボリビアなど近年、各国で左派政権が誕生し、新自由主義により壊滅した後の国家・経済再生とともに、オルターナティヴな世界の構築を目指すラテンアメリカ。世界から注目されるこの地域においては、しかしいまこの瞬間にも、左派政権とも距離を置く、多様で起伏に満ちた社会運動が行われ、日本では想像もつかないほど豊穣な政治空間が開かれている。 いまだ知られざる、その政治空間と社会運動のダイナミズムを魅力的に伝え、ひとりひとりの内ある「政治」を可能にするパワー、行為と力のクリスタル=闘争の最小回路に呼びかけ ること、これが本書の唯一の目的である。

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