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谷崎潤一郎と異国の言語

谷崎潤一郎と異国の言語

名うての翻訳家による谷崎ワールドの愉しみ

著者 野崎 歓
ジャンル 文学 > 日本文学・文芸評論 > 日本文学評論
出版年月日 2003/06/01
ISBN 9784409160855
判型・ページ数 4-6・230ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに――異国の言語に魅せられて
第一章 フランス語入門――「独探」:外国語のレッスン/「Masochisten」と「美」/「文法」と「会話」/差異の体験/G/Jの謎/独探とは誰か

第二章 「貴い大陸」の言葉――「鶴唳」:己は一生日本語を話さない/芥川 幻滅の構造/谷崎、美味なる支邦/水郷の夢想/子供としての芸術家の肖像/反日本語の夢/エキゾティシズムの栄光と悲惨/消えやらぬ幻

第三章 魔法の語り――「ハッサン・カンの妖術」:魔術の世界へ/インドへの道/上野の図書館にて/インド人の正体?/母の変身/魔法の語り

第四章 映画的言語の実験――「人面疸」:いとしい可愛いお前よりも尚大好きな……/アメリカ映画時代/伝染病としての映画/大映しと二重焼き/女優とその崇拝者/おてんば娘の七変化/谷崎は映画を捨てたのか

第五章 翻訳の空間へ――「卍」:翻訳家・谷崎/谷崎訳ボードレール/語りとしての翻訳/声の魅惑/翻訳の卍巴/大阪弁のレッスン/「学校ごっこ」の果てに

註/あとがき

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内容説明

日本の誇る文豪・谷崎は、外国の言葉・文物に代表される「異なれるもの」への飽くなき欲望によってその作品世界を創造したのであり、それは生れ故郷の東京下町を捨て関西へ移りすみ、『卍』『蓼喰う虫』から大作『細雪』を生むことになる作家の軌跡そのものである・・・・・・と、本書をもっともらしく説明すればなるだろう。しかし本書は、一般には大スランプ期といわれる大正期の奇作・怪作を材料に、エキゾティシズムを梃子に美女と美食に邁進せざるを得ない谷崎のさがの核心を描いてみせる、まことに痛快・ユニークな作家論であり、著者の個性を反映した一種の「翻訳論」でもある。著者は、トゥーサンなどの名訳者で、ベルギー政府フランス共同体翻訳賞を受賞したフランス文学者。『ジャン・ルノワール 越境する映画』でサントリー学芸賞のほか、著訳書多数。

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