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〈呼びかけ〉の経験

サルトルのモラル論

〈呼びかけ〉の経験

新たなサルトルのイメージを提示する

著者 澤田 直
ジャンル 哲学 > J‐P・サルトル関連
出版年月日 2002/05/01
ISBN 9784409040577
判型・ページ数 4-6・290ページ
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに
Ⅰ 文学と哲学をつなぐもの
第一章 読者論:: 1 読者の視点から  2 読者論と共同体    3 読者としてのサルトル
第二章 モラルの問題: 1 三つのモラル 2 自由と本来佐 3 挫折の理由 4 コミュニケーション、コミュニティ

Ⅱ モラルとエクリチエール  
第一章 呼びかけとは何か : 1 ハイデガーの呼びかけの転用  2 呼びかけとしての文学  3 倫理的地平での呼びかけ 4 了 解  
第二章 贈与について : 1 モースの影のもとに  2 デカルトの足跡にしたがって 3 自由の頂点としてのジェネロジテ  4 贈与、真理と倫理をつなぐものとしての 5 ジェネロジテの限界
第三章 アンガジユマン : 1 人間的現実のあり方 2 開示の両義性 3 アンガジユマン文学の功罪 4 アンガジユマンと文学 
 

Ⅲ 『嘔吐』を読む                                                             
第一章 植民地問題への視線 : 1 冒険という情熱 2 ブーヴィルのロビンソン 3 エキゾチスムの終焉  4 フライデーとしての独学者  
第二章 沈黙の共同体: 1 共同体からの排除  2 沈 黙  3 一体化=融合  
第三章 自伝というトボス: 1 思索する主体と語る主体  2 普遍-独自 

  註/付録 サルトル研究のための新資料/あとがき/参考文献

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内容説明

サルトルは逆説的な思想家であるといわれる。なかでも最大のパラドックスは、サルトルの与えた影響がアンガジュマンという「実践」の思想であったにもかかわらず、その基底にあるモラルに関する理論的著作を完成することができなかったことだ。本書は、死後刊行されたテクスト群の読解をとおして、サルトル思想を貫通するモラル論を、その核心である〈呼びかけ〉の問題として描きだす。この〈呼びかけ〉は、サルトルからの〈呼びかけ〉が何であったのかを意味するとともに、サルトルの〈呼びかけ〉への著者からの応答でもある。まったく新たなサルトル・イメージを提示する。

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