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自閉症者たちは何を考えているのか?  新刊

自閉症者たちは何を考えているのか?

神経生理学や遺伝学アプローチだけによらない豊かな臨床知見。

著者 マルタン ジュベール
佐藤 愛
吉松 覚
ジャンル 哲学
心理学
心理学 > 精神医学
出版年月日 2021/10/20
ISBN 9784409340561
判型・ページ数 4-6・206ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 交差
 同一化の障害  平らな世界—ある交差の世界   移動の香り   交差から出会いへ  一つの線と二つの点 偶然の成果の再現

第2章  同一化
 ある特定の症状複合を小児精神病として自閉症から切り離すことの妥当性について
 正常な付着性と病的な付着性/身体的同一化  それぞれの物の名前  不変性に
奉仕する付着同一性—--ジェレミー  
相補的な二つの思考様式
同一化すべき他者の体験を求めて---レーモン  模倣と同一化のあいだ----ノエ
付着性か同一化か  付着同一性/身体的同一化、それは緊張状態にある対なのか?
身体、運動、思考
 身体と形態  形態の言語  

第3章 自閉症的思考、それは一次マゾヒズムの回避なのか?
 不可能な中立性  セッションにおける制約とからかい  自閉症、精神の組織化一次マゾヒズムの外?  ジミー  なぜ一次マゾヒズムなのか?--満足経験における苦痛   新生児の産声---欲動融合のモデル   解-離し/再融合する対象の機能  逆転移において一次マゾヒズムを保持し、持続させ、耐えぬくこと  サディズム、一次マゾヒズム、同一化

第4章 二重構造とナルシシズムの構成
分身という形象の二つの運命
状況の解決  「二重構造」  釣り合う点か、それとも過程を伴う運動か?  エクトル
分身への付着、考えるための身体
最初の二重化  ボディ・イメージの構築と、生成の理論  出産の試み---最初の型取り
双生児性とナルシシズム  心気症、生成、分身---知覚された身体と表象   
他なる自己自身としのぎを削ること---性差とナルシシズム
二重の輪郭線と離別   相争う---幻想、肛門期性、ナルシシズム   苦しむための---そして最後には同一化できるための---ナルシシズム  
心気症的同一化と、分身における自己生成という幻想
分身から同一化へ、肛門期的やりとり  付着性、不連続性、象徴化  地から形態を切り離す  

第5章 穴の穿たれた身体
原光景----表象するために否定する   有意味な忘却から   プロイセンの前開きの乙女像  ファルスを持つ三位一体  形象から形態へ、そして形態から形象へ---充溢と空虚、制約と論理   生成、形態、そして同一化


文献
訳者解題


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内容説明

自閉症者にはどのような精神的メカニズムがはたらいているのか?

彼らが「考える」内なる世界に、精神分析アプローチからせまる

----フランス精神分析による六つの臨床ケースと分析


「すなわち精神分析は、私たちが生きることそのものが、暴力に満ちた生と、刺激のゼロ地点としての穏やかな死とのあいだの、緊張関係のなかにあるとみなす。そして自閉症者は、この二つのあいだで別の道を見出す。(…)本書でめざすのは、常同行動などの自閉症的症状を避難所として保持しながらも、生と死の緊張関係を垣間見させるような臨床である。そして、それが可能となる重要な契機として、子どもの臨床を通して分析家が体験する逆転移の苦痛を据えていることが、本書の特徴である」(訳者解題より) 

 

 

 

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