ホーム > 連続と断絶

連続と断絶  新刊

ホワイトヘッドの哲学

連続と断絶

光も届かぬ存在の彼方、想像力の彼方、宇宙の彼方へと哲学を導く、闇の形而上学の誕生

著者 飯盛 元章
ジャンル 思想
出版年月日 2020/01/30
ISBN 9784409031063
判型・ページ数 4-6・324ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論

第1章 連続的な宇宙――実体の哲学から有機体の哲学へ
 第1節 絶えざる消滅と客体的不滅性
 第2節 孤独な実体たちの世界から、仲間たちからなる民主主義的世界へ
 第3節 主観主義的原理から、改良された主観主義的原理へ
 第4節 内的関係がもたらす困難

第2章 実体と関係――オブジェクト指向哲学と有機体の哲学
 第1節 二一世紀における実在論の台頭とホワイトヘッド
 第2節 思弁的実在論とホワイトヘッドによる相関主義の乗り越え
 第3節 オブジェクト指向哲学による〈実体の再興〉
 第4節 オブジェクト指向哲学と有機体の哲学

第3章 生成の起源と終極における断絶――多性と新しさについて
 第1節 多から一へ、一から多へ
 第2節 多性という断絶
 第3節 現実的存在の分割可能性と永遠的客体による限定性
 第4節 新しさという断絶
 第5節 範疇的制約による予定調和と神による主体的指向の贈与

第4章 同時的なものとの断絶――因果的独立について
 第1節 因果的独立という断絶
 第2節 同時的存在者の間接的内在

第5章 未来との断絶――宇宙時代について
 第1節 宇宙時代と自然法則
 第2節 メイヤスーにおける事実論性と自然法則
 第3節 漸進説と断続説

第6章 体系を攪乱する実在との断絶――思弁哲学について
 第1節 体系内の三つの断絶
 第2節 体系を攪乱する実在
 第3節 思弁哲学と有機体の哲学

結論

ホワイトヘッド用語小辞典
あとがき
参考文献
人名索引

このページのトップへ

内容説明

闇の形而上学へ 

孤高の哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド。事物の有機的連関を重視し、恐るべき密度と宇宙的壮大さを併せ持つその思想は、長らく哲学界の傍流であった。しかし、現在、思弁的実在論、オブジェクト指向哲学など、21世紀の思想潮流のなかで再び注目されている。本書は、これまで事物の連続性が重視されてきたホワイトヘッド哲学に、存在の深き断絶の契機を見出し、ハーマン、メイヤスーとの比較をふまえ、その哲学の全体性と独自性を描き直してゆく。光も届かぬ存在の彼方、想像力の彼方、宇宙の彼方へと哲学を導く、闇の形而上学の誕生。

「ホワイトヘッドは、抱握をとおして過剰に関係しあう宇宙像を描きだした。だが、じつはその宇宙のうちに断絶の線が走っていて、抱握の手をすり抜ける彼方がうごめいているのではないのか。本書は、そうした断絶を探りあてていく試みだ。それは、巨大な宇宙的有機体が奏でるハーモニーのうちに、ある種のノイズを、あるいはノイズでさえない無音を聴きとる試みであると言える。」(序論より)

序論(PDF)→

このページのトップへ

関連書籍

激しい生

激しい生

注目のフランスの俊英、待望の初邦訳

 
思弁的実在論入門

思弁的実在論入門

オリジナルメンバーによる待望の入門書

 
 
有限性の後で

有限性の後で

人文学を揺るがす思弁的実在論

 
 
社会の新たな哲学

社会の新たな哲学

注目の思想家が挑む新しい社会実在論

 
 

このページのトップへ