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貧困大国ニッポンの課題  新刊

格差、社会保障、教育

貧困大国ニッポンの課題

日本はすでに貧困大国だ。 しかし、消費増税による社会保障と教育改革で再生する!

著者 橘木 俊詔
ジャンル 社会
経済
出版年月日 2015/12/25
ISBN 9784409241059
判型・ページ数 4-6・216ページ
定価 本体1,700円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 「脱成長」から福祉国家の構築へ
    消費増税で欧州流に/極端に少ない家族支援

第Ⅰ部 貧困と格差

1 日本は貧困大国
    貧困者の増加/誰が貧困者か/貧困者の多い理由
    貧困者の数を減らす政策はあるのだろうか

2 若者の貧困問題
    深刻な若年層の増加/高い失業率と低い賃金
    経済的に苦しむ若年層の人生への影響
 
3 格差と雇用の問題を解決する政策
    格差問題/非効率的企業の退場/分かち合いの精神

4 アベノミクスと労働改革の諸問題
    成長戦略/労働の規制緩和:労働時間について
    正規と非正規労働者の処遇改善と賃金アップ対策を/女性対策と少子化対策

第Ⅱ部 福祉

〈1〉社会保障と税

1 社会保険の充実で生活保護費の削減を
    生活保護の4割は高齢者/支給額総額の削減に注力を

2 福祉国家への道――消費税を考える①
    危険な財政赤字楽観論/消費税増税に込める期待
    増税反対派に問う/福祉支出は成長率と無相関

3 日本はデンマーク型の福祉国家を目指せ――消費税を考える②
    消費税増税はなぜ必要か/逆進性対策には軽減税率が有効
    日本がめざすべき「福祉国家」の姿とは/日本はデンマークを手本とせよ

4 軽減税率の検討を急げ――消費税を考える③
    変質する三党合意と社会保障制度改革/軽減税率に及び腰な安倍総理と財務省
    「福祉の政党」公明党の使命

5 基礎年金を全額消費税で賄え――消費税を考える④
    改革案ポイント①~⑥
    (基礎年金部門だけに限定/二階建て部分は積み立て方式による民営化
     基礎年金給付を全額税収で賄う/累進消費税の導入/年金消費目的税
     120兆円積立金の取崩し)

6 企業年金制度の歴史と今後
    アメリカという特異な国/企業年金の発展と特色
    企業倒産時の年金給付/企業福祉からの撤退

〈2〉ベーシック・インカム

7 誰がベーシック・インカムを支持しているのか
    新しい福祉システムに向けて/ベーシック・インカムと負の所得税
    用いるデータと変数/政治的態度の分析/日本における支持構造

8 働ける人、高額所得者にも支給する違和感
    労働意欲を阻害/巨額の税負担/社会保障の充実がより有効

第Ⅲ部 教育

1 親が貧しいと子どもの進学が不利になる
    貧富の格差が一層進展、「機会平等」の原理を
    家庭の年収レベルで大学進学率に大きな差
    国の財政事情の悪化で授業料など教育費高騰
    子どもの学力が親の所得と相関
    能力・努力・教育の質、複雑に絡み合う三要素
    公教育への支出増やせ
    教育は「公共財」の認識を高めたい
    教育制度改革に必要な「政治中立」の確保

2 公的教育支出の増加と実務教育の充実を
    公費による教育費支出が少ない/実業教育に徹すること
    問題は高校で普通科の学生の多いことから始まっている/最後のつぶやき

3 エリート教育をどうすればよいか
    エリートとは誰のことか
    エリートになるには高い教育が必要
    受験競争の厳しさは少年の頃から選抜が始まっていた
    学力以外の基準でも人を評価しよう

4 学校教育が人々の賃金に与える効果の実証分析
    分析モデルとデータ概要/分析結果/まとめ

終章 経済成長だけが幸福の源泉ではない
    ゼロ成長を肯定したミル/環境問題で成長に疑問符
    所得と幸福度は一致しない/社会政策の充実が必要

あとがき
初出一覧

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内容説明

日本はすでに貧困大国だ。

しかし、消費増税による社会保障と教育改革で再生する!

日本の若者と高齢者の半数は既に貧困状態にあり、アベノミクスも息切れ。猛スピードで転げ落ちる日本社会の現状を経済学者の眼で冷徹に見つめ、具体的な処方箋を提示する、タチバナキ経済学のエッセンス。教育が賃金に及ぼす効果や、ベーシック・インカムは誰が支持しているのかを実証的に分析した論文を収録。

「本書の内容を簡単に要約すれば次のようになる。まず日本では貧困で苦しんでいるのは誰か、ということを明らかにした上で、なぜそれらの人が貧困に陥ったかを、社会学と経済学の視点から解釈を施した。さらに、社会に用意された諸制度の効果との関連を明らかにした。特に重点的に記述した分野は、家族の変容の効果、不況の下で支払い能力を低下させた企業の役割、年金、医療などの社会保障制度、人がどこまで受けられるかという教育制度、そして労使関係や最低賃金といった労働制度であった。…これらの諸制度は日本から貧困者を排除することに寄与するのであるから、どのような制度が望ましいのか、そしてそのような制度にするにはどのような政策を施せばよいかを論じたのである。」(あとがきより)

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