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戦艦大和講義  新刊

私たちにとって太平洋戦争とは何か

戦艦大和講義

大和の歴史は屈辱なのか日本人の誇りなのか。戦艦大和をたどりながら戦後日本とあの戦争を問い直す。

著者 一ノ瀬 俊也
ジャンル 歴史 > 日本史
出版年月日 2015/04/20
ISBN 9784409520611
判型・ページ数 4-6・332ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第一講 ガイダンス 戦艦大和から近現代史について何がわかるか


○第一部 近代日本はなぜ大和を作り、失ったか―大和から日本の近代史を知る

第二講 海軍とは何のためにあるのか、戦艦とは何か
戦艦とは何か/産業革命/欧米と東アジア/幕府崩壊から近代海軍の建設へ/明治維新/戦艦の進化/「制海権」という発想

第三講 近代日本の歩みのなかで海軍はどんな役割を果たしたのか
明治新政府は、日本の独立を保つためにどうしようと考えたか/日清戦争―清国に朝鮮から手を引かせる/建艦費はどうやって調達したか/日露戦争―朝鮮を併合し、南満州の権益を手に入れた/明治の戦争の結果と次代への影響/清国軍艦は<生き物>だったか

第四講 昭和日本はなぜ戦艦大和を必要としたのか
大正日本と第1次世界大戦(1914-18)/大戦後の国際協調と軍縮/満州事変と日米対立/どうすればアメリカに勝てるか/軍縮条約廃止後の建艦競争/男の子文化のなかの戦艦

第五講 実際の対米戦争で大和はなぜ活躍できなかったのか
1941(昭和16)年、日本はなぜ対米戦争を決断したのか/「新しい戦法」とは/どうすれば米の戦意を奪えるか、じっさい奪えたのか/勝利への不安発生/米軍は1943年以降どう総反撃してきたのか、大和はどう戦ったのか/「追いつき追い越せ」主義の破綻

第六講 1945年、大和はどうして沈んでしまったのか
なぜ敗戦まで特攻は続けられたのか/アメリカの弱点は「人」/なぜ大和は沖縄へ出撃したのか/大和沈没す/なぜ大和は「一億総特攻のさきがけ」命令を承けて特攻に出撃したのか/なぜ「一億総特攻」は実現しなかったのか


○第二部 大和はなぜ敗戦後の日本で人気が出たのか―日本人の欲望の反映としての大和

第七講 占領期、大和はどうして日本人の心に生きることになったのか
アメリカ軍と日本人の神殺し/大和の記憶はなぜ人びとの口に上るようになったのか/占領下、吉田満『戦艦大和ノ最期』はなぜ書かれたのか/「彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」/吉田満と「一億総特攻」/『戦艦大和ノ最期』の受け止められ方/実は実現した?「一億総特攻」/<神>として再生した戦艦三笠

第八講 1960年代、なぜ子どもたちは大和に熱狂し、飽きてしまったのか
1960年代における日本人の大和の描き方 その一 怒れる戦死者/60年代の大和の描き方 その二 日本人の自尊心のよすが/児童向け図鑑のなかの大和/1970年代に飽きられた?大和と戦争/

第九講 1974年、なぜ宇宙戦艦ヤマトはイスカンダルを目指して飛び立ったのか
1970年代とテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』/なぜ戦艦大和が復活してヤマトになったのか/「一億総中流」と「一億総特攻」/「国」に思い入れを持たない世代/一億総特攻、完遂されず

第十講 そのとき、なぜ青少年はヤマトに熱狂したのか
『ヤマト』の受け手たる若者たちはどう反応したのか/『ヤマト』で泣きたかった子どもたち/ヤマト文化を支えた子ども部屋/吉田満のみた「ヤマト現象」

第十一講 1980年代、戦艦大和はなぜ繰り返し映像化されたのか
映画『連合艦隊』(東宝、1981年)から考えてみる/陳腐な「教訓」としての大和物語/戦艦大和の海中探索/『ゴジラ』(東宝、1984年)と戦死者たちの怒り


○第三部 現在の私たちにとって太平洋戦争とは何なのだろうか――大和から考える

第十二講 1990年代、なぜ戦艦大和は仮想戦記に蘇ってアメリカに勝ったのか
仮想戦記とは何か―-「たられば」の物語/初期の仮想戦記/1980年代、日本人の脳内<歴史>で勝利した大和/「第2の敗戦」たる90年代だからこそ、大和は日本人に必要とされた/アメリカになりたかった/「後ろめたさ」を表明するTVドラマ

第十三講 2013年、『宇宙戦艦ヤマト2199』と『艦これ』はなぜ作られたのか
2005年の大和をめぐる動き/西暦2013年、なぜ宇宙戦艦ヤマトはなぜふたたび飛び立ったのか/戦艦大和はなぜ『艦隊これくしょん』で少女となったか/大和はなどて人となりしか/護国の女神さま/深海棲艦とは誰か/艦これ世界に<大義>なし

第十四講 もう一方の日本海軍の雄・零戦はなぜ人気があるのか
『風立ちぬ』『永遠の0』のもう一人の主人公・零戦/設計者・堀越二郎の弁明/海軍の組織的弁明/堀越の特攻弁明/自己を映す鏡としての零戦とその語られ方/零戦も<人>か/もう一人の零戦神話の担い手・操縦者坂井三郎/映画のなかの坂井・零戦・特攻/2013年の零戦物語

第十五講 まとめ―-戦艦大和と太平洋戦争とは戦後日本人にとって何だったのか
戦艦大和と太平洋戦争/事例①『週刊少年マガジン』52号の南村喬之『ペン画 連合艦隊』(1968年)/事例②藤子不二雄『ドラえもん』「ぞうとおじさん」(1973年)/事例③『ドラえもん』「ラジコン大海戦」(1976年)/戦艦大和(たち)の擬人化について

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内容説明

戦艦大和は神である。

1945年4月7日、特攻に出た大和は沈没した。戦後も日本人のこころに生き続ける大和。大和の歴史は屈辱なのか日本人の誇りなのか。歴史のなかの戦艦大和をたどりながら戦後日本とあの戦争を問い直す。

~『戦艦大和ノ最期』から『宇宙戦艦ヤマト』『艦これ』までの15講!

【無料公開】 第一講 ガイダンス 戦艦大和から近現代史について何がわかるか(PDF、696KB)→

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