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境界を生きるシングルたち

シングルの人類学1

境界を生きるシングルたち

つねに個人を制度や法、慣習等で規定しようしてきた社会に、人はどのように対応し生きているのだろうか。

著者 椎野 若菜
ジャンル シングルの人類学
出版年月日 2014/02/25
ISBN 9784409530450
判型・ページ数 A5・282ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序――日本の「シングル」から世界をみる

Ⅰ 孤独の意味
「ひとり」から見るイタリアの町――町への帰属意識の再考に向けて  宇田川妙子
孤独への道程――フィンランドの独居高齢者の社会生活と在宅介護  高橋絵里香
性的欲望・性行動・性的アイデンティティのずれと「孤立」  新ヶ江章友
――日本における同性愛の事例から
パプアニューギニアのシングル単位論序説  馬場 淳
――ワンピスの可能性/不可能性をめぐって

Ⅱ 制度の谷間/隙間で
「もてない」と「もて社会」――ニューギニア男性の民族誌から  田所聖志
結婚、ミスヤール、そしてシングル  辻上奈美江
――サウディアラビアにおける社会の紐帯と個の遊離
江戸時代農民社会のシングル――その生存可能性  岡田あおい

Ⅲ 異分子としてのシングル
「独身者」批判の論理と心理――明治から戦時期の出版物をとおして  阪井裕一郎
現代インドにおける女性に対する暴力  田中雅一
独身/既婚兵士の男性性  上杉妙子

Ⅳ シングルの選択
移動するシングル女性――コモロ諸島における越境と出産の選択  花渕馨也
ケニアの新憲法とキプシギスのシングルマザーの現在  小馬 徹

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内容説明

少子高齢化、晩婚化、「孤独死」が社会問題化される現代において、「ひとりでいる」とはどういうことか。従来の社会学・人類学研究におけるような、単に「結婚していない人」といった漠然としたカテゴリーには規定されえない多様な「シングル」の在り方について、世界中のさまざまな社会の事例からみていく。本書で追及するシングルの視点は、日本におけるシングルについての思考の転換、社会デザインの発想の転換の機を投じることができる。

「シングルの人類学1」では、つねに個人を制度や法、慣習等で規定しようしてきた社会の、従来の経済的、文化的環境からはみ出た人びと、あるいは自ら脱した人びとに注目する。ジェンダー、セクシュアリティ、家族、結婚、国家、越境、歴史、宗教などをまきこむグローバルな社会変動に、人はどのように対応し生きているのだろうか。

続刊:「シングルの人類学2 シングルのつなぐ縁」2014年3月末刊行予定

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