目次
第1部 構造:疎外と他者
第1章 言語と他者性
第2章 無意識の思考の性質、あるいは〈他の〉半分はいかに「思考」するのか
第3章 言葉の創造的機能:象徴的なものと現実的なもの
第2部 ラカン的主体
第4章 ラカン的主体
第5章 主体と〈他者〉の欲望
第6章 隠喩と主体性のせき立て
第3部 ラカン的対象:愛、欲望、享楽
第7章 対象(a):欲望の原因
第8章 性的関係なるものはない
第4部 精神分析的ディスクールの地位
第9章 四つのディスクール
第10章 精神分析と科学
あとがき
補論1 無意識の言語
補論2 原因を追いかけて
用語解説
謝辞
原注
参考文献
訳者あとがき
索引
内容説明
これでラカンが分かる!
英語圏におけるラカン派精神分析の第一人者による、解説書の決定版。
〈他者〉、主体、対象a、性的関係、四つのディスクールなど、精神分析家ジャック・ラカン(1901-1981)の後期思想における主要な概念を、一貫した展望のもとに明晰に、そして臨床からの視点を手放さず解説。巻末には「『盗まれた手紙』についてのセミネール」を詳細に読み解いた二つの補論を付す、充実の一書。
「ついに、「ラカンへの回帰」を遂行する本がここに登場した」(スラヴォイ・ジジェク)
「本書についてだが、最大の特徴はやはりその明快な記述にある。ラカンについて書かれた解説書は、それを理解しようとすればさらなる解説書を必要とする、ということがよくある。訳者もそのような経験をした読者のひとりである。しかしフィンクは、ラカンの読解に真摯に取り組みながら、数多くのジャーゴンや図やマテームについても丁寧に解説を施し、ロジカルでクリアな文を書き連ねていく。(……)数多くのラカン解説書をまさにシニフィアン連鎖のごとくぐるぐるとさまよった経験のある者にとっては、本書はラカンの難解な記述と格闘するための絶好のパートナーであると断言できる。」(訳者解説より)
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