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メルロ=ポンティと病理の現象学

メルロ=ポンティと病理の現象学

メルロ=ポンティが論じた〈病〉の包括的検討を通し、思想の新たな地平を切り拓く

著者 澤田 哲生
ジャンル 哲学
出版年月日 2012/09/25
ISBN 9784409041031
判型・ページ数 4-6・336ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論
序章 若きメルロ=ポンティと病的現象の発見
 1 病的現象への関心
 2 グールヴィッチとの出会い
 3 フランス思想界への不満――ブランシュヴィックとベルクソン

第一部 高次脳機能障害
第一章 『行動の構造』における病的現象の位相
 1 反射理論と刺激の形態化
 2 症例シュナイダー――行動の構造の変容としての病
 3 実験室という病
第二章 症例シュナイダーと経験の平板化――失認とアナロジー障害
 1 シュナイダーの症例――失認とアナロジー障害
 2 『知覚の現象学』における平板化現象
 3 『世界の散文』、あるいは文化の平板化
 4 『眼と精神』、あるいは感覚の平板化
第三章 症例ベルクマンと色名健忘症
 1 健忘失語症
 2 ゲルプとゴルトシュタインの分析
 3 『知覚の現象学』における色名健忘症の分析
 第一部まとめ

第二部 幻影肢
第一章 幻影肢現象――シャルコー・レルミット・メルロ=ポンティ
 1 幻影肢分析の思想史上の変遷
 2 シャルコーの臨床講義
 3 レルミットと身体図式の導入
 4 抑圧された経験と魔術的な行為――『知覚の現象学』の幻影肢論
第二章 政治の病理学――サルトル情緒理論の受容
 1 メルロ=ポンティの病理学と政治学
 2 幻影肢の現象における魔術的な行為
 3 『弁証法の冒険』における魔術的な行為の位相
 第二部まとめ

第三部 精神分析・精神病理学・文学
第一章 性・失声・身体――症例シュナイダーから失声現象へ
 1 現象学と性
 2 性の脱中心化
 3 性と身体――失声の現象学的解釈
 4 性の位相
 補論 ALSから見た身体の膨張
第二章 精神分裂病
 1 症例シュナイダーから分裂病へ
 2 フィッシャーの分裂病患者と空間の構造
 3 『知覚の現象学』における分裂病の分析
 4 分裂病分析の意義
第三章 ヒステリー――『受動性講義』における症例ドーラ
 1 メルロ=ポンティのヒステリー分析
 2 症例ドーラ
 3 『受動性講義』における症例解釈
 4 身体と記憶
第四章 文学表現における病的現象――メルロ=ポンティとクロード・シモン
 1 メルロ=ポンティとシモン
 2 メルロ=ポンティのシモンへの視座
 3 入れ子構造
 4 シモン論と晩年の思想
 第三部まとめ

おわりに

あとがき
初出一覧/参照文献と略号/索引

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内容説明

生命の表現としての病

高次脳機能障害、幻影肢、ヒステリー、統合失調症、文学・政治の病的形象――メルロ=ポンティが論じた〈病〉の包括的検討を通し、思想の新たな地平を切り拓く、新鋭による豊潤な達成。

「メルロ=ポンティの現象学は、哲学と医学領域という異なる学問形式が、ともに新たな展望を開く可能性を示唆している。彼は、病的な諸現象の分析を現象学の概念と図式の枠に無理に嵌めこむのでもなければ、これらの概念を放棄し医学領域の用語に傾倒したのでもない。彼の病的現象へのアプローチは、異なる研究領域が、互いに新たな展望と地平を開くことの重要性を私たちに教えてくれるのである。」(本書より)

序論PDFにて公開中→

 

澤田哲生(さわだ・てつお)/1979年、静岡県生まれ。パリ東(旧第12)大学クレテイユ校人文社会科学研究科博士課程哲学・認識論専攻修了(人文科学博士号「哲学および認識論」取得、2008年)。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学(2009年)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、静岡大学非常勤講師。

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